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風の時代のギブアンドテイク

無条件に惜しみなく与えることが豊かさにつながる、とはいいますが、その与える先は実はとても大事。自分も相手も豊かになるように与え受け取っていくことで、内にも外にも豊かさが循環していきます。折しも今は「風」の時代。風は今私たちに、皆それぞれが持っている才能を発揮して「与え合う」よう促しています。時代に合ったギブアンドテイクについて考えてみました。

 

目次







 

I. 風の時代の与え受け取るバランス


思想的に波長が合う人と与え合い、時代の風に乗っていく


まず、星の流れから見る今の時代のエナジー的なお話から。


1802年から220年続いてきた地の時代では、お金を含めた物質、学歴、地位・権力、不動産、ブランド、結婚など、目に見える形や階級、「所有する」という物質的な外側の豊かさが重視されてきました。人々の意識が、がむしゃらに勉強したり働いたりして積み上げる「安定」や、終身雇用や定住に見られる「固定」というベクトルに向きやすく、また、地位や権力のある側が「独占」「搾取」していくという縦社会の構図が成り立ちやすかったようです。

この土の時代は2020年12月22日に終わり、私たちは今、風の時代にあります。


風においては、個人、精神、知識、情報、革新、自由、平等、博愛、波長、協力、シェア、循環、流動性、多様性、寛容さといった目に見えないものの価値が重視される「所有しない」という精神的な内側の豊かさが重視されます。


エナジー的に「集団との同調」を促される隷属的な重さがあった時代と比べて、「個のオリジナリティ」といった軽さも出てくる風の時代。風の時代は、誰か・何かのためにと、自分が歯車になって依存するのではなく、ひとりひとりが無から有を生み出す、新しく創り出すことで自立することが求められます。


与え受け取るといった行為にも、血縁関係や「情」、名の知れた人物やブランド、大手企業に左右されがちだった地の時代。風の時代が幕を開けて早2年半、そういったしがらみや表面的なものよりも、自分が持つ思想や感覚といった面でピンとくる波長の合う相手、関わっていく相手を自由に選び、win-winの関係を築いて、豊かさをシェアし循環させていくエナジーとなってきています。自分さえよければいいという利己的な態度や行動はますます通用しなくなっていきます。


風の時代は2156年まで続くそうですが、2026年までは、地から風の意識へと変革を促される出来事が起こりやすい過渡期とも言われています。


ハートが記憶していく見えないエナジー


風のエレメントが司るのは、胸の辺りにある第4チャクラ、ハートチャクラ。

自分を含め、すべてに無条件の愛を与え受け取ること』がテーマです。

風の時代、人々はまさにこのテーマを実践していくよう促されるでしょう。


愛にまつわる課題をクリアしていけば、このチャクラが活性化され、内的調和を得られるといいますが、愛は不足していても過剰でも不調和となります。ハートチャクラが司る心臓、胸腺、気管支、肺、乳腺、心身に不調をきたしやすく、免疫抵抗力も影響を受けます。


与えすぎて受け取っていない、あるいは、与えなさすぎて受け取るだけ、はいずれもバランスの悪い状態。そのバランスが取れていけば、ハートの風通しが良くなることは間違いありません。

精神界と物質界をつなぐのはこのハートチャクラであり、心といわれています。地の時代のときのように、お金さえ支払えばOKという感覚は、風の時代ではますます違和感を生んでいくでしょう。風のエナジーは心を運びます。金銭など、物質的なやり取り以外の、喜びや感謝の気持ち、信頼こそが、愛を、ひいては豊かさを循環させていくことになります。与え与えられたときに放たれたそのエナジーは、お互いのハートに刻まれていきます


人がそれぞれ持つエナジーの状態をリーディングすると、自分さえよければいいという考えを持っている人は、受け取るよりも多く与えようとする人と比べると、持っているエナジーの質が驚くほど違います。そのエナジーが持っている周波数、すなわち波長は、類は友を呼ぶ法則で同じような人たちが周りに集まります。利己心から得をすることだけを考えている人は、真の豊かさを共に目指そうとするグループと交わることはなくなっていくでしょう。



ギバーとテイカーとマッチャーと


時代のエナジーの変化とともに、与え受け取る行為そのもの、相手、バランスなども変化していくならば、どこに意識を向けていけば風の時代に合った豊かさを得ることができるでしょうか。わかりやすく説明するために、ある概念をご紹介します。


アダム・グラント氏は、著書『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』で、ギブアンドテイクの行為における人間のタイプを3つに分類しています。

タイプ

ギブアンドテイクにおける態度・行動

全体の割合

Giver ギバー

相手が何を求めているかを中心に考え

惜しみなく与える

25%

Taker テイカー

自分が得られる利益を中心に考え

与えるよりも多く受け取ろうとする

19%

Matcher マッチャー

​損得のバランスを取る

56%

全体における割合はアメリカのものなので、日本ではまた違ったものになるでしょう。また、仕事上はマッチャーで家庭ではギバー、という方ももちろんいるでしょうから、場面によって、また関わる相手によって、自分がどう使い分けているかを考えてみるのも面白いかもしれません。

競争社会だった地の時代においては、テイカーがいわゆる「成功」を収め、望むものを手に入れやすかったと言えるでしょう。食うか食われるかの風潮の中、自分にとってあらゆることが有益になるようにと意識が働くことが多かったかもしれません。


しかし、人より優位に立って独占していこうとする動きは、横のつながりが拡大していく風の時代にはフィットしないため、淘汰されていきます。与えるよりも多く受け取ろうとして他者への配慮に欠けるテイカーのずるさやあざとさといった気質は見抜かれ、テイカーは人に避けられやすいといいます。テイカーとやり取りしても豊かさは得られないと気づくからでしょう。


過半数を占めるマッチャーは、与え受け取る行為を常にイーブンにしておき、最終的に帳尻が合うように意識します。ただし、受け取っていなければ与えないという条件や、受け取ったからには返さなければという義務感が生じます。相手の出方に合わせて自分の行動を変えるため、ひどい仕打ちにあったと感じたらやり返すこともあるでしょう。また、たとえば、自分が与えたものに対して、見返りはいついつまでにこれくらいあって然るべきと考える傾向があるため、自ら課した条件によって得られるものも制限されていきます。風の時代に合った流動性や自由はそこにはありません。


では、受け取ることを意図・期待せずに惜しみなく与えようとするギバーでいれば、風の時代に豊かさを享受できるのか見ていきましょう。


II. 与えるということ


惜しみなく自他に与える者が最も豊かさを得られる


Give, and it will be given to you.

与えなさい。そうすれば、自分も与えられます。

ルカの福音書6章38節

クリスチャンではありませんが、豊かさを引き寄せる法則はイエス・キリストのこの言葉どおりです。自分が放ったエナジーが自分に還ってくるという波動の法則からすれば、最も豊かさを得られるのは無条件に与える、つまり、与える相手からの見返りを期待せず、具体的な内容や時期を限定せずに与えていくほうが、自分も無条件に与えられていきます。


与えたあとは、一旦そのことを忘れて、あとは宇宙にゆだねるくらいがちょうどいい。自分が放ったエナジーは、どんなものであれ、より大きくなって必ず自分の元へと返ってきます。


そうはいっても、自分に対して何も与える気がないどころか、返そうともしない、さらには恩を仇で返そうとする相手にも与えていこうなんて、聖人君子ではあるまいし、そんなことはできない。そう考える方はほとんどでしょうし、それはある意味ではその通りです。


アダム・グラント氏も、受け取るよりも多く与えるギバーには、成功するタイプとしないタイプがあるといいます。

タイプ

ギブアンドテイクにおける態度・行動

Selfless Giver 自己犠牲型ギバー

他者の利益を優先しすぎて、搾取されていても与え続ける、受け取ることが苦手、もしくは無頓着

Otherish Giver 他者思考型ギバー

​他者だけではなく、自分や自分を含めた全体が受け取っていくものにも関心があり、自分の利益を損なわない

成功するのは、ウィンウィンの関係を築き、全体的な豊かさの流れを作っていこうとする、You(相手)+ I(自分)=We(全体)の他者思考型ギバー。自分だけが我慢すればいい、犠牲になっても構わないという自己犠牲の精神は、地の時代のもの。自分を大切にすることを怠ることでもあるので、スピリチュアル的にも風の時代にもフィットしない志向となります。


必要なときは自己防衛手段を取ることが大事です。相手が「取れるものはすべて取る」テイカーだった場合、他者思考型ギバーはそれを見抜き、その相手に対してはマッチャーの態度を取ってバランスを取り、いいように使われないように線引きをします。


対して、自己犠牲ギバーはテイカータイプにも与え続けるので、やがて燃え尽きてしまうとか。人はこの状態になるのを怖れて、打算的な自分に葛藤を覚えながらも自分が傷つかなくて済むマッチャーでいようとするのかもしれません。


アダム・グラント氏によると、最も豊かさを得られるのが他者思考型ギバーであり、テイカーやマッチャーはそこそこ利益を得られるのに対し、最も損をするのが自己犠牲型ギバーといいます。


目に見えない思念も与え受け取っている


自分を犠牲にしてまで相手に尽くす人は、与える行為自体で燃え尽きるというよりは、与えることでもたらされる影響を受けてエナジーが枯渇していくと考えられます。自分が費やした時間と労力ではなく、そこに込められた目に見えないエナジーがポジティブなものとして返ってこない、そこが燃え尽きる原因となっていきます。


たとえ金銭などの物質のやり取りであっても、与え受け取っているのは気持ち、だと考えてみましょう。ギバーは相手が求めているものを与えようとするので、相手の立場への配慮や相手を理解しようとする好意的な気持ち、愛があります。受け取る相手もギバーであれば、感謝と信頼の気持ちを持ってそれ以上に与えようとするため、発展的な協力関係が築けます。具体的なお返しがまだの場合でも、与えたことによって自分が満たされた感覚を得られたならば、相手の心からの感謝のエナジーがあなたへ届いた証といっていいでしょう。

テイカーの場合は、受け取って当たり前という態度があるので、そこには相手への配慮も感謝もないどころか、もっともっとと奪いにくるかもしれません。実際、その思念は想像以上にあなたのエナジーを奪っています。どんなものがあるか見ていきましょう。

  • 不足感 与えることによって、本来、人は「自分には与える力がある」という感覚を得ていきます。自分にできることが多いという認識でもあるので、本来であれば与えることによって自分の内側は満たされていきます。ところが、テイカーから「もっともっと」という念が飛んできたとき、十分過ぎるくらい与えているにもかかわらず、頭の中は「もっと自分ができることはあるはず」という、充足感ではなく「至らない自分」という思考でいっぱいになります。

  • 後悔や罪悪感 テイカーは「期待通りに与えないあなたが悪い」と他責思考がメイン。その念をキャッチしたとき、「ああすればよかったのかな」という後悔をふと抱き始めることもあります。また、すでに受け取った内容について不満を抱きやすいのもテイカーなので、その念をもらったときは、与えた側である自分が悪いという自責の念に駆られやすくなります。さらには、ずるさやあざとさがあるのは相手なのに、与えたことを自分が後悔し始めると、そんな自分がずるくてあざといのかと悩んでしまうこともあるでしょう。

  • 自己卑下や自己否定感 テイカーは人より優位に立つことに重きを置いています。与えてもらっていながら、その相手を下げよう下げようとする意識が働きます。自己犠牲型ギバーは、テイカーにとっては格好のカモですから、必然的に貶められることが多くなります。テイカーがギバーを劣ったものとして捉え、カモとしてロックオンしたときには思念が飛んできて、ギバーは自己卑下や自己否定感を抱きやすくなります。

  • 無価値感、無力感 テイカーは、取れるものはすべて奪っていくタイプ。与えた側にサイキックフックとして取り憑き、気力や生命力といったエナジーを奪うこともあります。すると、1日の疲れが通常の睡眠では回復できなくなり、自己治癒力や免疫力も下がっていきます。そのうち与えるどころではなくなって、エナジーを奪われると同時に相手から不足感や罪悪感などの念をもらっていたとしたら、無価値感に苛まれ、無気力の状態に陥っていきます。

ここまで書くと、テイカーはどれだけ悪なのかと思いますが、テイカーはエゴにとらわれて勝ち負けや損得にこだわり、無意識に自己防衛しているだけで、相手に危害を加えようと意図してなどいないこともあります。厄介ですが、テイカー気質の人は自分を中心に考えているため、自分がテイカーであると気づくことは少ないかもしれません。


自己犠牲が相手にもたらすもの


惜しみなく与えるといっても、自分の心をすり減らしては何の意味もない、ということはお分かりいただけたでしょうか。与え受け取るという行為には何かしら見えないエナジーを伴うことが分かったうえで、与えていくことが大切です。そして、自分が自己犠牲を払うことで相手にもたらす影響も考えていくことが必要です。

無報酬が善いこととは限らない


無報酬で働くことやボランティア活動が、相手からの見返りを求めない行為だからといって善いことであるとは限りません。無償で与えられる側が、そうされることによって抱く感覚や気持ちについて考えてみましょう。

  • 与えられる側であるという劣等感

  • 受け取るばかりで与えることができないという無力感

  • 豊かさを自分からは生み出すことができないという無価値感

与える側がどのようなエナジーを発しているかにもよりますが、与えることによって優越感を得ている場合は、意図せずとも相手に劣等感を与えてしまいます。表面的なことだけではなく、自分が与えることによって相手の内側に何をもたらすか考えることは必要です。自分でできるという経験や自己信頼感を得るための学びの機会を奪ってしまっていることもあるでしょう。


テイカー気質を助長することも


与えられることが当たり前となって感謝することもなくなり、他力本願で自分では何もしなくなるなど、テイカータイプを作り出してしまうこともあります。


たとえば私は、人助けや慈善行為、スピリチュアルを美化しすぎて、無報酬でエナジーヒーリングを行っていたことがあります。しかし、タダだから受けるという方が多く、お金を払ってまで本気で今の自分と向き合おうという意思はないため、アドバイスもスルーされますし、効果が現れてもヒーリングのおかげとは考えず、何かがうまくいかなくなったときだけヒーリングのせいにする傾向も見られました。不調になればまた受ければいいやという他力本願も助長し、ヒーリング後に自分や動物のケアをきちんと行っていこう、自分でもできることはしていこうという意識はあまりみられず、私は消費されるだけの感覚に陥りました。

私がヒーリングを行う目的は、本来の自分を生きたいという人の変容を手助けすること。主役はあくまでご本人です。そのご本人が主体的に動いていこうとしないなんて・・・無償でやるのでは、ヒーリングの目的を達成することはできないことに気づき、セッションは有償にすることにしました。


セッションの金額は、自らの心と身体の健康、そして豊かに生きていくことにどれだけの価値を見出せるかによって、喜んで支払える人とそうでない人といるでしょう。対価であるかどうかを判断するのは自由ですから、喜んで支払ってくれる人だけ来てくれればいいと思うようにしました。

報酬をいただくようになってからウェブサイトを訪れセッションを受けてくださった方々は、ご自身との向き合い方の本気度も、効果の現れ方も、違います。セッション後に「自分を受け容れられるようになりました」「こんな嬉しい変化がありました」と伝えてくださったり、愛のエナジーが、時間差で私の元に届いたりするほど感謝してくださる、ギバータイプのお客さまに恵まれるようになりました。おかげさまで、と感謝される方にはついサービスをしたくなってしまう、これがお互いの豊かさにつながっていくんですね。無報酬のときよりも、ポジティブなエナジーが循環しているのを実感しています。


与えることは操ることではない


自分を犠牲にしながら相手に与えるというと、親子関係で自分を犠牲にしながら子どもにすべてを捧げている、という人もいるかもしれません。ギバーの定義は、相手が何を求めているかに注意を払うことができる人であって、自分の望みを相手に押しつけることではありません。

自分の望みを子どもに託すことや、親の役割を演じることで自分の価値を高めようとしていたり、与えているようで子どもを操ることになっていたり、子どもを守ろうとするあまり、物事をコントロールしようとしすぎていたりすることもあります。


親子に限らずあらゆる関係において、ギバーのつもりが、テイカーになっていないかのチェックも必要です。学びの機会を奪っていることに気づき、利己心から必要以上に与えすぎないようにすることが大切。人に与えるという行為は、相手が何を望んでいるかへの配慮があって健全なものとなります。



奪われずに与えていくために


アダム・グラント氏は、真の意味での豊かさを得たいならテイカーは避けるべし、といいます。でも一見、人当たりがよくていい人に見えても、テイカー気質の人はたくさんいます。意識しなければ、見抜くことは難しいかもしれません。


避けるというよりは、自分を犠牲にしてまで与えがちな人が、自身の意識を変えていくほうが有効でしょう。自分の価値を損なわずに、惜しみなく与えていく他者思考型ギバーへシフトしていくためにできることを見ていきましょう。

1. いつでも自分に選択権があると意識する


相手から求められたらいつでも差し出さなければならないというわけではありません。たとえ相手がお客さまであっても、お金さえ支払わればどう振る舞われても許容しなければいけないというわけでもありません。自分が心地良いと感じられる相手に与えていく、そしてその分量、時期もすべて自分が選択していくと意識する。たとえテイカーが現れたとしても、「許容しない」ことを自分が選択していけば、相手の思い通りに操られることはありません。


2. 自尊心を保つための「依存」につながる自己犠牲や奉仕の義務を手放す

自己犠牲型ギバーが、テイカーの搾取による一方的な被害者とは言えません。テイカーに奪われていても与え続けるのは、ギバーがそうすることによって得られると無意識に信じているものがあり、奪い奪われる関係性は、需要と供給が合っているとも考えられるのです。

誰かの役に立つことでしか自己肯定感を得られないのは、自己評価が自分軸ではなく他人軸となっている、いわば「依存」でもあります。潜在意識の領域に眠っている思考パターンの中に、「自分を犠牲にしなければ、相手に与えたり助けたりすることはできない」、「無償で奉仕することが美徳である」「人の役に立ってこそ自分に価値がある」といったものがあれば、自尊心を維持するために他人の評価に頼りすぎてしまっています。ヒーリングなどでその条件付けを外してあげると自分を犠牲にすることなく与えていくことができていきます。

3. 自分を尊重しその価値を認めてくれる相手にエナジーを注いでいく


自分が相手にされないとわかったとき、いいカモではなくなったギバーからはテイカーはすっと身を引くといいます。取れないとわかると面白くないからでしょう。そこに至るまでは、要望に応じないことに対して不満や批判をぶつけてくるテイカーもいるかもしれません。テイカーからの評価を気にすることはありません。縁を切ったとしても、もっとあなたを尊重しその価値を認めてくれる人は他にいます。ハートレスなやり取りではなく、ハートフルなやり取りにエナジーを注いでいくことで、豊かさに発展していくつながりを引き寄せていきます。

4. 自分には受け取る価値がある


自己犠牲型ギバーは受け取りベタです。「失望したくないから相手に期待しない」という思い込みを抱いていることも多いですが、そもそも自分に受け取る価値がない、好意を受け取るに値しないと思い込んでいることもよくあるため、潜在意識の領域に働きかけるヒーリングで、そこを癒してあげることも有効です。また、与えられたものを喜んで受け取ることは、相手にも自尊心や豊かさの流れをもたらすことも覚えておきましょう。


5. テイカーからの影響を認識しつつ、あえて与えるという選択をする


テイカーに与えても、同等のものどころか感謝すらされず、ネガティブなエナジーを受け取ることが多いです。それを分かったうえで、念を受けてもそれが自分のものではないと認識できるならですが、それでも一時的に自分を犠牲にするだけの価値があると判断し、テイカーにも与えるという選択をすることもアリです。


たとえば、本人からは返ってこないけれども、自分が与えることによって自分が望む世界観が実現できると捉える。テイカーに対しては「そういう人もいる」と割り切って、自分はそれでも慈愛のエナジーを自分の世界に注ぎ続けるという選択をすると、自分が生きる世界は確実に豊かになっていきます。



III. エナジーは自ら生み出していく


すべては自分が発するエナジー


最も損をすると言われる自己犠牲型ギバーについて主に見てきましたが、利益をそこそこ得られるテイカーやマッチャーも、目に見える利益を確保しようと動くのは、本来の自分からはかけ離れた状態にあるから。一見、今の自分や自分の生活・人生に満足しているように見えて、心の奥底は空虚感でいっぱいのこともあります。自分には人に多く与えられるだけのものは持っていないという思い込みを抱いていることも少なくありません。


このタイプの人たちは、与えているほど受け取っていないから常に損をしているという不足感に陥りがちですが、実際は、自分が思っているほど人に与えていないことが多いです。与え受け取るときに、自らポジティブなエナジーをそこに乗せていないから損をしているように感じていることもあります。

豊かさのエナジーは、まず自分の内から外へと出さなくては、入ってきません。与えることがなかなかできないという人もいますが、まずアウトプットすることから始めてみるのもいいでしょう。


受け取ることが多いなら、まずはそこに感謝のエナジーを向ける。その気持ちを相手に伝えてアウトプットすることで、相手にポジティブなエナジーを与えることもできます。


与え受け取るものは、お金、モノ、時間、労力、知識、機会だけではなく、愛、信頼、感謝、赦しなどのポジティブな気持ち、嫉妬、敵意などのネガティブな気持ちも含まれます。


すべては、エナジー。エナジー交換として与える行為と受け取る行為を見直していくと、実際に交換する内容ではなくても、目には見えないところで、自らが改善できるところが見つかるでしょう。


真の意味で豊かさを引き寄せるためには、与えるときも、受け取るときも、自分がどんなエナジーを放っているかを意識していきましょう。自分が放ったエナジーはより大きくなって自分の元へと返ってきます。


惜しみなく与えつつ豊かさを引き寄せる人とは


まとめましょう。

惜しみなく与えつつ豊かさを引き寄せる人は、次のようなマインドを持っています。

  • 人や社会に対して、自分が貢献できることはある

  • 競争しなくても、宇宙には愛も豊かさも無限にある

  • どこにエナジーを注ぐかの選択権は、常に自分にある

  • 自分がやりたいからやるのであって、目先の評価や結果にこだわらない

  • 自分が放ったエナジーは、どこからかタイムラグを経て戻ってくるものと委ねる

  • 何を受け取るかは、常に自分で選択し責任を取ることを意識している

  • 自分が放ったエナジーは、全体の豊かさにつながっていくと知っている

  • 与えるだけではなく、受け取ることでエナジーの循環は完成すると知っている

そして、与え受け取るときは、以下のようなエナジーを放っています。


与えるときは

  • 相手が何を望んでいるかを配慮する

  • 還元される形や時期にこだわらない

  • 相手との関係の発展に意識を向ける

受け取るときは

  • 返さなくてはならないという義務感を一旦手放す

  • 素直に受け取り、心から感謝する

  • 感謝の気持ちを相手に伝える時間を取る

  • 望ましくないものを受け取ってもそれを気づきに変えていく

与える先は自分で選ぶ、というと損得勘定が働いているようにも思えますが、ハートのやり取りで明らかに発展しないとわかっているところにエナジーを注がないことを選択することで、自分を大切にしつつ、もっと他に互いに尊重し合える関係にエナジーを注いでいくことができます。


もちろん、それは一方的に選択できるものではありません。アダム・グラント氏によると、惜しみなく与える人は人にアドバイスを求めることを厭わず、自分から弱みを見せるなど、自分を知ってもらう機会を相手に与えるといいます。自分のことを相手に開示し、相手にも選択する機会を与えるという関係の築き方がバランス良く、風の時代にフィットしたものになりそうです。


英語のギブアンドテイクには、互いに与え合う、奉仕し合うという意味で「譲り合う」ニュアンスがあり、相手に与えることが重視されます。一方、日本語のギブアンドテイクは与えたら返してもらう、受けたら返すという意味合いが強く、何かをしてもらったらそれにお返ししなくてはという返報性の原理に近いニュアンスが感じられます。日本にはお返しをマナーとして重視される文化があるので、そのマインドになりやすいのかもしれません。その義務感を一旦リセットして、「互いに与え合う」という感覚を持って関係性を捉えていけると素敵ですね。


自分が貢献できることをライフワークに


風の時代は、誰かや何かのためにと、自分が歯車になって依存するのではなく、ひとりひとりが無から有を生み出す、新しく創り出すことで自立し、互いに与え合うと意識していくことが求められます。

実は、内なる自己に意識を向けて変容していくことも、風の時代の精神(スピリチュアリティ)のテーマに合致しています。自分のオリジナリティや才能は何なのか。自己探求をして、自分が好きなことややりたいことを発掘していくことが、風の時代の波に乗って生きやすくなるコツです。いずれそれが、何らかの形で人や社会に、地球に貢献していき、ライフワークとなっていくでしょう。仕事は単なる報酬を得るための労働ではなく、自ら楽しみながら人と豊かさを創り出していく趣味の延長線上にある、という意識にシフトしていけるといいですね。


ハートチャクラのキーワードは、愛、慈しみ、共感、光と影の統合、調和、変化、変容、好奇心、向学心、順応性、自由さ。そこに重苦しさはなく、自分も相手も自由にしていく軽さがある愛をイメージして、変化を楽しんでいきましょう。

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