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愛犬の食事

犬を飼っていると、そのコにとってベストな食事は何だろうと考えてしまうこと、何度もありますよね。ずっと元気でいたら気にならなくても、食欲がなく、毛づやも元気もなくなって、病気しがちになったとき。本人が何を望んでいるのかわからないため、確信を持ってこれがいいと言えるものはないようにも思えます。この記事では、我が家の犬の食事を変えたところ、心身共に彼女の健康度が劇的にアップした体験を元に、柔軟にアプローチしてみることの大切さについて探ってみたいと思います。

 

目次



陽の食べもの&食べものを陽にする調理法

陰の食べもの&食べものを陰にする調理法



 

犬の食事を変えたきっかけ


皆さんのワンコには何を与えていますか?ドライフード、ウェットフードとありますが、穀物類を排除したグレインフリー、特定の原材料しか使わないアレルギー用や病気対策としての特別食など、そのコに合わせたものを意識して選んでいる飼い主の方がほとんどでしょう。


うちではグレインフリーのドライフードをずっと与えていました。ドライフードのほうがバランスが取れているし長生きするという説と、犬は元々オオカミと同じ肉食なので、タンパク質メインが犬にとってはベストという説に、なんとなくそうかなと思ったのが理由です。

犬のほうも、ドライフードを喜んで食べてくれていたのですが、まだ若いのに毛づやが悪いときがあったり、脂漏性皮膚炎が慢性化したり、未消化のフードを吐き戻したり、ストルバイト結晶で血尿が出ることもありました。問題行動としては、散歩中の食糞。しっかりと食べさせているはずなのに、足りないのかしら・・・悩む日々が続きました。


そして、当時受けていたヒーリングセッションで見ていただいたところ、フードから栄養吸収がうまくできていないことがわかったのです。そして言われたのが、


ドライフードはジャンクフード

衝撃の一言でした。


でも、それと同時に納得感がありました。様々な食材を加熱調理し、サプリメント的なものを加え、成形し乾燥させたものがドライフードですが、それは私たち人間にとってみればエナジーバーを毎日食べているようなもの。生きてはいけますが、食材自体が持つエナジーは消えてしまっています。


人間もそうですが、食事で摂取する栄養だけで身体がこんなに精巧な働きができるわけがないと、確かシュタイナーが言っていたように、新鮮な肉・魚、野菜、果物など、食材そのものが持つエナジーが、栄養と同じく重要な働きを担っているんですね。


手作り食に変えたらいいことばかり


衝撃の一言を受けてすぐ、手作り食を始めました。いつも手作りは無理かもしれないと思っていましたが、残っていたドライフードはその後一度もあげることなく廃棄。ワンコはドライフードでも喜んで食べたと思いますが、私が違和感を覚えるようになって無理でした。


そして何よりも感じた変化は、体調が良い。毛づやも良く、みるみるうちに若返っていきました。今はシニアの年齢に入りましたが、驚くほど元気で、病院へ連れていくこともなくなりました。

みんな手作り食に絶対すべき、と言いたいわけではありません。ただ、色んな飼い主さんとお話ししていると、フードを食べなくなったり、食べ残すワンコたちがとても多いと感じます。そして食べないからといってそのままにしていると、明らかに元気がなくなっていきます。今まで通りのフードにこだわることなく、臨機応変にしてみることも大切かなと思います。


犬の健康について熱心な飼い主さんに勧めてみたところ、早速試してくださり、その日から劇的に元気になったと喜んでくれました。シニアだから食べなくなったというコも、実際にはお肉ではなく白身魚が良さそうだったので勧めてみたところ、今まで一度も食べたことがなかった魚を喜んで食べ、食欲が復活したとのことでした。もうダメかもと思っていたコがその後みるみるうちに元気を取り戻し、散歩に行けるようになったという話を聞くことが多いです。


手作り食なんて栄養バランス悪いからやめたほうがいい、という獣医さんもいます。しかし、海外の記事に、イヌは元々オオカミだったから肉食が一番という考えはもう古く、約1万5000年前から人間と生活し始め、人間の食事で余ったものを食べて生きてきた歴史のほうが、より今のイヌの身体の捉え方としていいのでは、と書かれてありました。


確かに、うちのワンコには肉と野菜をほぼ半分の割合で作っていて、人間が食べるごはんとさほど変わらない内容ですが、日々ベストなコンディションでいるところを見ると、この捉え方がしっくりきます。日本でも昔は残飯をあげることが多かったですよね。


フードセラピーという考えかた


市販のドッグフードはファストフードである、というハワイの獣医師イホア・ジョン・バスコ氏は、食べものを薬と考える伝統東洋医学を元に、犬へのフードセラピーを勧めています。それは、食材、そして調理法を犬の状態に応じて変え、体内にある陰陽のエナジーのバランスを取り、病気が生じたときなどに混乱状態となっている犬の内臓に調和を取り戻すというものです。

バスコ氏の著書『健康維持・病気改善のための愛犬の食事療法』から、陰の状態のための陽の食事と、陽の状態のための陰の食事を抜粋しご紹介します。


陽の食べもの&食べものを陽にする調理法

  • 肉類、内臓、海の魚など、動物性食品

  • 濃い緑・黄・橙・赤・紫などの色をした抗酸化力が高い野菜

  • 塩漬けのもの

  • 脱水・乾燥させたもの

  • 高熱処理された市販のドッグフード

  • 短時間に強火で焼く・炒める・揚げる、圧力鍋で調理する

陽の食べものは、若い成長期の犬や虚弱体質、貧血や寄生虫がある、手術から回復中の犬に与えるといいそうです。


一方で、陽の状態が続くと以下のような状態になりやすいといいます。

  • 急性の熱や感染

  • 膿瘍、血液の感染

  • 肝臓疾患(肝炎)

  • 怪我

  • 関節の腫れを伴う関節炎(骨髄炎、ライム病)

  • 急性湿疹、バクテリアや菌類の皮膚の感染、湿疹

  • 注意欠陥・多動性行動、攻撃的、動揺

陰の食べもの&食べものを陰にする調理法

  • 生肉、生野菜

  • 野菜、海藻、小魚

  • 白いもの(牛乳、白キクラゲ、白いマッシュルーム、豆腐)

  • ゆでたもの、発酵させたもの

  • スープ、ジュース

  • 砂糖、酢

  • 小麦など穀物のタンパク源

陰の食べものは鎮静させる効果があるとされ、細胞液と血液の生産を促します。

一方で、陰の状態が続くと以下のような状態になりやすいといいます。

  • 慢性の熱

  • 貧血

  • 糖尿病

  • 腎臓機能低下/失禁

  • 慢性の変性性関節炎/腰と膝が弱い

  • 乾燥肌

  • 全身虚弱

  • 慢性の胃と消化器系病

  • 肥満、無気力、甲状腺機能低下

体内の不協和音が軽度なうちに食事で改善できたら、病気予防にもなりますね。


手作り食の始めかた


始めて作るときは不安だったり大変そうと感じることも多いかもしれません。でも慣れると本当に簡単です。やっていきながら少しずつ覚えていくといいでしょう。


私がよく作るのは鶏肉をムネとモモの半々買ってきて、それよりやや少ない量の野菜と合わせて火を通し、果物やゴマなどをトッピングします。


バスコ氏はタンパク源・でんぷん・野菜を1:1:1の割合で作ることを基本とし、活動量が多い犬にはタンパク質を増やし、肥満気味の犬にはでんぷん質を控えめにするなど、そのコの状態に合わせて変えるよう勧めています。


以下に、初めての方への手作り食を始めるポイントをご紹介します。

1. 犬の手作り食に関する本を参考にしよう


犬に与えてはNGな食材が書いてあったり、土を良く食べるコはマンガンが足りていないから栗をあげるといいとか、亜鉛を摂らせるためにあずき粉をプラスするなど、役立つ情報があり、知っておくと便利です。 2. 食べて調子がよかったウェットフードの内容を参考にしよう


一食分の量と肉と野菜・果物の割合を決めるのに、うちではテラカニスという缶のフードを与えたときに調子がよかったので、基本的な一食分の量と割合を参考にしました。野菜が多くても大丈夫そうだったので、半々にしていますが、活動量が多い時期はお肉を多めにするなど調整しています。犬は炭水化物の消化が苦手とされているので基本的には与えていません。

3. 体調や便の様子を見ながら調節しよう

そのコによって合う食材、合わない食材はあるので、様子を見ながら調節しましょう。最初のうちは一食か二食分作って様子を見るといいでしょう。 私の犬の場合、自分の身体より大きな動物を食べることは血に合わないとヒーリングで教えていただいたので、鶏肉や鴨肉のみ与えるようにしています。また、肉や加熱用のチーズの脂などが多すぎると消化不良を起こしたことがあるので、あまり与えないようにしています。 4. 陰陽のエナジーを意識してみよう

加熱しすぎないことが大切と前述しましたが、風が強くて寒く乾燥している日は、しょうがを入れてあげたりするなど、体内の陰と陽のバランスを整える観点で作ってあげるといいでしょう。 5. 野菜は消化が良いように細かくしよう


シニア犬や歯周病などがあって噛むのが苦手なコにはフードプロセッサーを使ってあげるのもいいと思います。ただし、健康なワンコには消化が良すぎて早くお腹が減ってしまうことも。細かく刻んであげるくらいがベストなコもいるので様子を見て調節しましょう。お腹を壊しているときはコーンを入れるなど、食物繊維を増やしてあげると、腸を通過するスピードを遅くすることができます。

6. 自分にできる範囲でやることがポイント


忙しくて疲れていたり、面倒だなと思いながら作るとそのエナジーが食事に付加されてしまうので、気持ちよく作ってあげられるときにしましょう。毎食調理するのはやはり大変なので、うちでは大きなウォックパンで何日か分を作り置きしタッパーに入れて冷凍しています。


飼い主が食事にプラスするエナジー


人間にとってもそうですが、やはり犬にとっても、新鮮な食材で調理したものがベストと実感しています。食材が持っているエナジーは計り知れません。

そして飼い主が愛情を込めて調理してあげればそのエナジーもプラスされ、それは必ず犬にも伝わります。そして飼い主の行動が変わると、それに応じて犬の行動も変わります。


愛犬のために、毎日は難しくてもたまには手作りしてあげると絆もより深まるかもしれません♪

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