誰にでもある8歳までの心の傷

あなたは、生まれてから8歳頃までに自分が何を思い、どう感じたか、覚えていますか?どんな出来事が記憶の中でいちばん鮮明に残っていますか?わたしたちの心や身体の不調和に根本的な癒しをもたらすには潜在意識へ働きかける必要がありますが、幼少時に刻み込まれた思い込みにこそ、その癒しを加速化する鍵があるようです。


精神的トラウマの痕跡


完了プロセス 失われていた自分の一部を取り戻す実践法』の著者ティール・スワン氏によると、人は、大脳の認知機能が十分に発達する8歳頃までは、自分にとって意味が通じるように物事を合理的に考えることができないそうです。


この時期は、幼すぎてまだ理解ができない事柄、どう扱えばいいのかわからない感情、自分では解決できない出来事など、あらゆることにおいて親や兄弟、友だちや先生といった周囲との交流とその反応を観察しながら倣い、価値観を吸収していきます。



価値観を自分で選択するというよりはインプットされるこの時期に、受動的に認識した「自分」についての多くが、自分を制限したり否定するような思い込みとなりやすく、それが精神的トラウマとなって刻まれ、大人になっても大きな影響を与えると言われています。


10歳以降であれば物事を合理的に説明できるようになるので、つらく悲しい出来事があっても精神的トラウマが「新しく」刻まれることはなく、深い傷のように感じる場合でもそれは8歳以前の出来事に端を発しているに過ぎず、「押されて痛みを感じたら、それはすでに傷があるから」とスワン氏は言います。


つまり、8歳以前に無意識の領域に刻まれた「傷」を癒すことが、根本的な解決策というわけです。


たとえば、あなたが4歳のときに父親が家を出て行ったとしましょう。大人の事情などは理解しようがないため、子どものあなたは「嫌われているから置いていかれた」「自分がいい子でいないからいなくなった」と思ってしまい、心に深い傷を負いました。大人になって共に暮らしていたパートナーに別れを切り出されたときに自分のことをひどく否定されたように思うのは、「自分には愛される価値がない」あるいは「自分は十分ではない」という思い込みを幼少期に抱いてしまったからです。その思い込みを癒せば、誰かが自分の元を去っていったからといって無価値感や自己否定感に苛まれることはなくなり、単にそのパートナーとは相性が合わなかっただけ、というような見方ができるようになります。



凍結された子どもの自分を癒す


大人になればそれが合理的ではないとわかるのに、どうしてその思い込みを無意識に持ち続けてしまうのでしょうか。


幼少時代に愛にあふれた家庭環境だったかどうかにかかわらず、人はどんなに年を重ねても内側に子どもの本質を持ち続けます。これをインナーチャイルドと言います。


あなたの内側にいるかつてのあなただった子どもの部分に、自分を否定するような精神的トラウマの痕跡が未解決のまま存在している場合、そこに癒しが与えられない限り、その子どもは自分から分離して凍結されたままとなり、10代以降大人になってからどんなにポジティブ思考を心がけても、幸せだと思う経験をしても、この痕跡は消えないといいます。同じ感情・思考癖を繰り返すことで、もはや自分の性格として認識してしまっているのかもしれません。

大人になって、何らかの強烈な感情が湧き起こったときは、その感情を幼少時にも経験した可能性が高く、遡って深い原因を探り、凍結されたインナーチャイルドを癒す必要があるとスワン氏は言います。子どものときは感情と向き合う術を知らなかったため、つらすぎて記憶から葬り去っている場合もあるかもしれません。

完了プロセス 失われていた自分の一部を取り戻す実践法』ではその感情から逃げずに向き合い、潜在意識を自ら探って解決していく方法が書かれています。


ただし、すべての人がトラウマと向き合う準備ができているとは言えません。記憶から消し去っていて自分では自覚していなかったトラウマを呼び起こすこともあります。ひとりで向き合うことのリスクはありますので、慎重に行う必要はありそうです。



セラピーやヒーリングで自分を統合する


ひとりではつらすぎる、怖くてできないという方は、インナーチャイルドセラピーで、あるいはエナジーヒーリングで、信頼できる第三者と一緒に乗り越えていくという方法があります。


私は両方を受けたことがありますが、ひとりでやるより心強く、確実で手っ取り早いですし、また、一度受けると自分の感情との向き合い方を学べるのでお勧めです。蓋を開けずにいると怖いものだと思ってしまいがちですが、その中には大人になったあなたであれば対処できるものしか入っていません。


無理にこじ開ける必要はありませんが、自分の人生において抱きやすい感情や思考パターンがあることに自分で気づき、それらを手放したいと思ったときがベストなタイミングと考えればいいでしょう。

逆に言うと、自分で自分の感情や思考癖と向き合わずにインナーチャイルドを癒すことは難しいです。子どものときのことは覚えていなくても、今の自分が手放したい価値観や思考パターンに自分で気づき、それらを手放す意思が必要です。あとはセラピストやヒーラーに幼少時の記憶を探る手助けをしてもらいましょう。



animiscentのエナジーヒーリングでは、あなたにとってつらかった記憶の中のある場面に落としてきた「魂のかけら」を探して、そのときの好ましくない思い込みを置き換えることで、そのかけらを回収し今のあなたに統合します。今の自分に欠けている魂のピースを戻してあげることで、不完全な状態から完全な状態へと近づけることができます。魂が完全な状態になっていくと、どこか満たされない感覚というものが消えていきます。


インナーチャイルドセラピーでも、癒しを必要としている子どもの自分にそれを与えてあげることで分離された子どもを大人の自分と統合します。


いずれにしても、自分を否定するような価値観の植え付けを根っこから取りのぞき、好ましいものと置きかえることで、二度とこの心の傷がうずくようなことはなくなるのです。

何もかもが順調で完璧な幼少時代を送ったという人はおそらくいないでしょう。自分が8歳までに体験した出来事のなかで、自分が本当はどうして欲しかったのかを思い出す、それを自分に与えてあげることが子どもの自分を癒し、今の自分、未来の自分をも癒すことになります。子どものときに欲していたけれども与えられなかった無条件の愛や安心感、自己肯定感といったようなものを大人になった自分は与えることができます。


この先、何十年も生きていくうえで、「自分を統合させる」プロセスは早めにやっておくと後々とても楽に生きていくことができます。強烈な感情に襲われることも少なくなり、自分が自分に見出す価値やセルフイメージが変わるのですから。


8歳以下のお子さんをお持ちの方は、子どもが心の傷を作らないためにしてあげられることがあります。それは、感情と向き合うように教えること。詳しくは、ブログ記事『ネガティブな感情の解消の仕方』の「子どもにも感情と向き合うように教えよう」をご覧ください。